その後を生きる、矢川冬の場合

実父からの性虐待サバイバー。「もう、沈黙はしない‥性虐待トラウマを超えて」出版。社会福祉士。家父長制絶対ダメ。HSPシニア独り暮らし。性虐待を事由に明記し戸籍名変更。女性無料シェアハウス運営。趣味はどけち節約と終活と防災サバイバル

性虐待の体験を本に。出版を終えたその後、そしてQ&A

出版を終えて2か月がたちました。商業出版でもなく、訳あってメディアに顔を晒して宣伝もできず、なかなか知ってもらうのは大変な状況ですが、それでも読んで下さった方がいらっしゃるのは、とてもとても有難いです。こんな私ですから、ゆっくり活動していく中で、本を読んで下さる方も少しずつ増えていけば嬉しいと思っています。できたらレビューでご意見を知らせて頂きたいです。よろしくお願いします。

今回は 

私の本を読んでくれた方から質問や意見が寄せられたのでお答えしたことを、他の皆さんにもお知らせしようと思います。

 

その前に近況を一筆。

本を書き終えたら急に暑くなり、体温以上の酷暑にとうとう体調が悪くなりました。とはいえ、いつものことなのですが何か大きいことをやり遂げるとアドレナリンが出すぎていたせいか、一気にうつ状態に入るのでいつもの症状なのかもしれません。

 

なにしろページ数を多くするとそれだけ本の価格が跳ね上がるしくみでしたので、220ページくらい書いたものを184ページまで削り落とすのは大変でした。説明不足や書きたいエピソードなどまだいっぱいありました。けれど、本を完成させる精神力と気力をぎりぎりまで使い尽くしたので、これでいいと思っています。

 

本を書き終えて心境の変化があったか、皆さんの知りたいところかもしれません。私に関しては55年がかりの出版でしたので、まず1番に肩の荷が下りたという安ど感がありました。もうこれで、思い残すことなく死ねると思うとほっとしました。何しろ、書くまでは死ねないと自分に勝手にタスクを課していたので、早く出版しなければと焦りばかりつのって。
書き終わってみて、その焦りから解放されただけでも楽になりました。加害者や性虐待という犯罪についての怒りは変わりませんし、自分の考えや感性を改めて整理できたことで、心はいくぶん冷静さを取り戻したかもしれません。


でも一番大きいことは、ブログもそうですが、読んでいてくださる人がいると思うことで社会とつながる細い糸が、期せずして太い綱になりより強固になった気がすることですね。

どういうことかと言うと、この人間社会の一員になれているかもしれないという連帯感が培われたことかと思います。子どもの頃ひとりぽっちで紺碧の宇宙空間に浮いていた私にしてみれば、地球上の土の地面を踏みしめている、地上にいても非難されないと感じられるのは、しみじみと嬉しいことです。私は本当は人間を好きになりたいし、理解されたいと願っていたのでしょうね。

 

 

本を書き終えたら、いよいよ長年予定していた死ぬ準備=終活=断捨離が実行できるとわくわくしていました。モノが減ってすっきりするごとに心が軽く楽しくなります。

 

 

 

さて、本を読んだ方から貴重なご意見を頂いていますので、紹介します。

質問1:母親に生活力があり、父親である夫より明らかに優れている人物のように見えるのに、なぜ娘への性暴力を見て見ぬふりをしたのか。経済力のない弱い母親だけが、子どもへの性虐待に対処できないとばかり思っていました。

 

→ 回答1:母親は日本の「家制度」を肯定し守りたいと思っている人間でした。

支配欲が強かった母親は、次男や三男・・・ついには舅や姑まで支配下に置こうとしました。唯一支配されまいとしたのが姑でした。したがって、嫁姑の闘いはすさまじく、姑は酒乱気味だった四男をそそのかし刃物をもって長男の家を襲撃させたりしました。母親は私の手を取って海へ入ろうとさえしました。家父長制は本当は被支配側の女が担っているのかもしれませんね。

そうこうしているうちに、母親は気づいたのでしょう。姑がいずれ死に、本当に自分が「家制度」のテッペンになって姑を見返せることを。それからは意地です。彼女の仕事は嫁いだ家の苗字と墓を立派に守り抜くこと、娘(妹)をできるかぎり地位と名誉のある家に嫁がせることになったのです。長女(私)には婿を取り苗字と墓を守らせる予定でしたが、長女の私がそんな野望は木っ端みじんにしてやりましたから、私は家制度にとっては邪魔ものです。母親と妹はお前には財産はやらない、養子(男)を入れて苗字と墓を守る、とさかんに脅してきましたが、ご自由にどうぞですね。どうなっていることやら。

彼女の考えがよじれていることに気づきましたか?自分がフルタイムで働いて自立できているように見えても、お金のために働いていた彼女の中身は共依存の男尊女卑のままなのです。自分の支配の及ばなくなった長女はさっさと捨てて、夫亡き後、家父長制の象徴である墓守りを選んだということなのです。

 

 

 

 

質問2:結婚制度を認めないとのことですが、不倫や浮気に苦しむ女性についてはどういう風に考えますか?結婚という制度に入らないほうがいいと?

 

→ 回答2:結婚制度は財産の管理に関わる制度です。結婚制度に愛は関係ありません。婚姻中の財産は男が管理するという男尊女卑思想が隠されています。「家」の財産は夫所有にされ、不倫をした夫は不倫をした妻より社会的に制裁があまいですよね。炊事、掃除、洗濯、育児、介護は妻の肩にどっしり。そういうことをジェンダーバイアスといいます。男と女に違う法則があてはめられる、いわゆるダブルスタンダード二重規範)ともいいます。

不倫や浮気と言う言葉は結婚制度があるという前提で生まれた言葉です。ですから男尊女卑に基づいた不倫や浮気という言葉は私の辞書にはないと書いたのです。支配関係のないフラットなパートナー関係であれば、裏切りあるいは心変わりで済む話です。

 

婚姻制度のかわりに事実婚というものがあり、それだとパートナーシップは対等に保てるし、財産は別々に管理しますから支配関係は生じません。婚姻に伴う苗字の変更もしなくてよいし、子どもの姓は好きなほうを選べます。お勧めします。

 

 

9月に入ったら、ブログの整理をしたいと思います。

①コメント欄は承認制にしました。コメントを書き込んでも一般には公開されませんので、個人的な情報やメールアドレスを書き込んでも大丈夫にしました。

 

②個人的な連絡は私の本の奥付に載っているメールアドレスまでメールを下さっても、お返事します。すぐと言う訳にはいかないこともありますが。

 

③この「性虐待と闘う、矢川冬の場合」には「POD出版」、「性虐待」、「シェルター」、「終活=断捨離」、それらに伴う私見をまじめに書きます。特にPODの出版社から年間アワードにエントリーできるというお知らせがあったので、POD出版のことは詳しく書くつもりです。エントリーはこれからします。

 

④もう一つの「たたかう性的虐待サバイバー日誌」のほうから「POD出版」についての記事をこちらに引っ越しさせます。もともと日常のあれこれを書くつもりだったダイアリーでしたから、私の趣味である面白くて役に立つ「どけち節約生活」、「ベランダ菜園=プチ自給自足」、「ポイント生活」、」「財テク生活」、「天涯孤独を生きる日常」、「天涯孤独のすすめ」などを楽しく書いていくつもりです。下重暁子さん、「極上の孤独」でますます攻めてます。頼もしい。孤独は心のデトックス