その後を生きる、矢川冬の場合

実父からの性虐待サバイバー。「もう、沈黙はしない‥性虐待トラウマを超えて」出版。社会福祉士。家父長制絶対ダメ。HSPシニア独り暮らし。性虐待を事由に明記し戸籍名変更。女性無料シェアハウス運営。趣味はどけち節約と終活と防災サバイバル

「当事者性」から回復することを自分に許そう。PTSDの持続エクスポージャー療法とは。

私は「当事者性」と言うものに、ずっーとこだわってきました。性虐待という体験、親から痛めつけられるような体験は経験しない人には分からないものがあると思っています。肉と心を同時にえぐられる体験は、戦争の捕虜が受ける拷問に似ていると感じます。しかもにやにやと卑劣に拷問をしてくる敵兵は、自分の親なのです。

 

だから性虐待経験者はサバイバー(生き残った人)と呼ばれるのです。拷問から生還した人です。

 

私は自分の体験を本にして出版するまで、いろいろな本を読むのを止めました。いや、読めなかったというのが本当です。私は「当事者性」にどっぷり漬かりたいとおもいました。自分の体験の中から、思考し、掘り起し続けていれば何かが見つかるような気がして、その作業は私がやるべきものだと思いました。だから、私の本は、どっぷりと「当事者性」に偏っているでしょうね。私にしか書けないものです。

 

 

私は24歳で初めて病院で実父からの性虐待のことを打ち明けました。聞いた男性精神科医は即座に否定し、「嘘だ、甘えるな」と言いました。1976年のことでした。私は証拠がないと誰も信じてくれないのだと知り、それから14年間すっかり忘れたふりをして「家族ごっこ」をして家族を安心させました。14年後の38歳のとき、すっかりだまされて安心しきった実父がわび状らしきものを書きました。

 

それをひっつかんで、私は逃げました、1991年のことです。すぐに、性暴力に反対する社会活動に参加しました。それ以来、今日まで故郷の土を踏んでいません。葬式にもなにも呼ばれず、遺産相続もなく、こちらも遺留分などの要求も一切していません。私はたった一人で黙々と働き節約を重ねて、私が欲しかったシェルターを創りました。

 

余生は、性虐待を受けて逃げ場所をもとめている少女のために役にたつ活動をして過ごしたいと思います。いまだ癒えていない私自身の回復のためにも、10歳の私を救う必要があるのです。回復への道は、多分死ぬまで続くのでしょう。それでいいと思います。

 

 本を書き終えてやっと本が読めるようになりました。読んでいる本の中で、私自身が回復につながる可能性があると感じる本を紹介します。

 

 

「体はトラウマを記録する」

まさに、私の脳と体の記憶に私は苦しめられている。そこをほぐし、偏桃体の影響を受け続ける海馬の更新作業を自分でするのです。私は自分自身で自分自身を回復させて見せる。

 

 

「PTSDの持続エクスポージャー療法」 

私はそれと知らずに、仕事や日常生活をリハビリだと思い、辛い苦しいと避けたくなるような状況にあえて自分をさらしていた。フラッシュバックがきつかった時に、小西聖子(たかこ)医師から、暴露療法というものがあると聞いたことがある。

その発展形がPTSD持続エクスポージャー療法なのだろう。先月読み始めてまだ終わっていないが、回復への可能性を感じる療法だと早くも感じたので紹介します。

これには、ワークブックもある。まだPTSDの発作が頻繁に起きるような人は、持続エクスポージャー療法ができる医師のもと、ワークブックも併用するほうが良いとのこと。

他に、10代のためのワークブックもあります。

 

 

 

 

「性の法律学

昔お世話になった時に読んだ角田由紀子弁護士の本です。法律のことを、女性の立場から分かりやすく書いてくれています。角田弁護士は東大の文学部から司法試験に受かったような人なので、文章がとても読みやすいですよ。

もし、性虐待を理由に親に慰謝料を要求する裁判を起こしたい方は、角田弁護士に相談するのが良いでしょう。ご本人でなくとも、良い弁護士を紹介してくれるはずです。