その後を生きる、矢川冬の場合

実父からの性虐待サバイバー。「もう、沈黙はしない‥性虐待トラウマを超えて」出版。社会福祉士。家父長制絶対ダメ。HSPシニア独り暮らし。性虐待を事由に明記し戸籍名変更。女性無料シェアハウス運営。趣味はどけち節約と終活と防災サバイバル

虐待を理由に戸籍名(氏)を変えられました! 1か月で出たスピード審判の経緯を分析する。

f:id:yagawafuyu:20200528222124p:plain

 

虐待をする親から逃げるため、戸籍名を変えたい子どもはたくさんいる

  • 親からの虐待は刑事事件にしにくい。被害者の子どもが死んでやっと裁判にかかるという実態。
  • 児童養護施設に入らないと、親との間に介入してくれる機関や人がいない。
  • 法的に親子関係を切ることができないために、ずるずると苦しむ。
  • 最後の手段に、一人戸籍を作り、戸籍名を変え、住居を別にし、扶養や健康保険証などの扶養から外れ、住所を知られないように閲覧制限をかけ、引っ越しを繰り返す方法が残る。
  • 親権が強すぎる日本の民法によって、被虐待児者(被虐待児はいずれ成長し被虐待者になるため、今後はこういう使い方が増えます)は、このように苦しみ続ける。

 

戸籍名変更の審判

戸籍名を変えるには、弁護士は必要ありません。立場を保全する家庭裁判所の審判なので金銭授受が発生しませんし、弁護士を頼むような難しい手続きではありません。

私矢川冬は自分一人で裁判所に行き、申立書(裁判所備え付け1枚)と上申書(A43枚をワードでパチパチ)を提出して2年後に許可の審判が降りました。

 

 

Aさんの審判が1か月で下った理由の分析

  1. Aさんが20代と若い(=将来がある、氏名を使用する時間が長い。)
  2. 資格を持ってその資格で自立した生活を営んでいる。
  3. 12月に申立した時に、3月の退職時までには新しい名前が欲しいと急いでいた。
  4. 申し立てる前に氏名変更を急いでいる件で、数回裁判所に電話をしている。
  5. 申立書3枚に加えて、上申書を6枚もつけた。
  6. 上申書の虐待内容を具体的かつ細部に至るまで克明に書きこんだ。(これについてはAさんは、辛い心情を言っても経験のない裁判官には伝わらないから、実兄や実父の動きをことこまかに、これでもかと描写的に書いたとのこと。オブラートに包まずダイレクトに書くと良いとのこと。)細部の描写に視覚的作用があったために、Aさんの陳述が真実である強い印象を与えた。証拠がない性犯罪の陳述の仕方にとって参考になるのではないか(青:矢川意見)。
  7. Aさんは自殺未遂をしているが、それについて加害者の実父や実兄のみならず、実母までが冷淡な反応だった。家族にひとりも味方がいないことをきちんと述べる。実母は実父からの性虐待を訴えても実父の気を引くためかAさんを裸にして実父の前に立たせた。
  8. Aさんは戸籍名改名を決意する前に、あらゆる手を尽くして家族の問題を解決しようとした。親戚、警察、複数の弁護士、議員、教育委員会など裁判所以外の人や機関に相談した。裁判所以外に様々努力したことを強調
  9. 加害者から「お前は俺から逃げられない。逃げたら殺す」とエアガンで撃たれるなどあった。殺害予告であり刑事事件に発展する可能性を裁判官は感じたかもしれない(Aさん感想)。
  10. 通称名では長く生きていけないと伝える。通称名は役所、職場、銀行、病院、あらゆるところで使えないから、結局家族とのかかわりを断ち切れない。但し、通称名を使っていると本人が楽な部分があるし、その通称名を実名にできる可能性があるので、通称名は使いようでは良い方法だと思う(矢川感想)。
  11. 氏を変えたら、家族から特定されることなく友人ともSNSで交流ができる。今のままではうかつにSNSも使えないという制約がある。
  12. 家族から乗り込まれている今の住居を転居し、新しい名前で表札を出したい。家族から危害を加えられないようにしたい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以上、Aさんは12月いっぱい考えて上申書に事細かに思い出しては具体的に書き込みました。裁判所に電話を数回したが、インターネットで申立書をダウンロードし、上申書をつけて、裁判所に提出した。そして、1月に郵送で審判書が届いた。

つまり、Aさんは裁判所に一度も出向いていないし裁判官に会ってもいない。電話の相手は書記官だった。調査官と会話すらしていない。

それで、1か月で審判が降りたのである。Aさんの状況は家族から虐待を受けて家族全員を敵に回して闘わなければならなかった私から見ても、同じような境遇である。恐らく、他の被虐待児者も似たような悲惨な生活をしてきている。

 

ならば、親と同じ氏から解放されたいと願う被虐待児者の切なる願いを、裁判所はそろそろ聞き入れるべき時なのではないか。

 

 

 同じく青弥(ハルヤ)さんも、氏変更の審判を申し立てたそうです。

青弥さんは先のブログでも述べたように、下の名前は通称名の永年使用という事由で変更しています。氏のほうの永年使用での変更許可は10年がめどと言われていますが、事由を性虐待にしたいと、Aさんの改名に触発されて頑張っています。長い上申書を書き上げたそうです。

 

さて、次回は青弥さんがどういうことになっているのか書けたら嬉しいですが。。

何度却下されても申し立てているガッツのある青弥さんだから、何度でも、何度でも。青弥さんは保険証を通称名にしてもらえたそうですし、まだ20代だから、未来は明るいでしょう。

 

f:id:yagawafuyu:20200528223623j:plain

 

にほんブログ村 家族ブログ 児童虐待・幼児虐待へ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 生きづらさへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ
にほんブログ村