家族からの性虐待の被害者は、加害者と同じ家族の名前を使いたくない
このことはずっとずっと被害者たちから言われてきて、でも裁判所は全然認めてくれなかった。
そこで、仕方がないので通称名を使用してしのいでいた被害者は多かった。
日本で1例目は穂積純さん、2例目は私こと矢川冬、3例目はAさんでした。
日本で4例目の人は、なんと即日で審判が降りました!
なぜ、そんなに早かったのか、ゆっくりひも解いてみたいと思います。裁判所に足を運んだり、電話をしたりは一切なかったそうです。
今回の人は、親子です。娘を学生Bさんとします。実父からの性虐待被害者で学生の娘Bさんを、自分の家族から被害にあっていた母親Cさんが強力にサポートしての快挙でした。
恐怖心は長く残る
娘Bさんは今でも父親にひどい恐怖心を抱いており、今回ブログで紹介しても良いかという私の申し出に対して、父親に知られるのが怖いから学生とだけにしてほしいと母親Cさんを通じてコメントをいただきました。Bさんの意向に沿うために詳細は省いて記述しております。分かりにくい部分はご容赦下さい。
その恐怖心はよくわかります。今こんなブログを書いたり、本を出版している私でさえ、40歳近くなっても殺されるという恐怖心にさいなまれていました。
今はもうすっかり消えましたよ。槍でも鉄砲でも持ってこい!という感じです。死ぬのがちっとも怖くない。
したがって、虐待の内容や地域や詳しい事情は書けませんが、今回とても重要な事柄が判明したので、貴重な成功例になりました!
とても重要なことです。あとで記します。
裁判所ではできるだけ安心感を与えるようにすべきだと思っていた私
先の3名(穂積純さん、矢川冬、Aさん)はいずれも高学歴、まずまずの安定した収入があり、戸籍名を変更することでさらに良い状況になる人だと、3人ともが裁判所に訴えていました。
精神科に通ったり、生活保護を受給している人たちは、何人も何度も申請しても却下になるか取り下げを迫られました。その圧力に負けてしまう人もいました。
誤解をされると怖いのですが、高学歴、安定した収入をひけらかしているのではありませんよ。裁判所は不安定な人に厳しいのではないかという、根拠のない思惑を私が持っただけのことでした。
社会がそうだから、きっと裁判所もそうなのだ。裁判官になる人は裕福な家庭に育ち十分勉強させてもらい、一生の地位と収入を確保されている人びとです。精神を病み、明日をも知れぬ人間のことをどこまで理解できるのか、信用していませんでした。
私の裁判所の捉え方は正しかったのか?
だから、私は裁判所に出かけるときは虚勢を張っていました。上申書にはほころびだらけの自分を赤裸々に描いて提出しましたが、現実に顔を合わせる私はごく普通の中年女性にすぎません。40代のそのころは、安心感を人に抱かせるような風貌を保つべく、せっせと擬態に努力していた時期でもありました。
精神科に通っても、生活保護を受けていても、大丈夫!
私が、今回重要な発見だと思ったことはこれです。
Cさんは障害者手帳を持ち生活保護を受給しています。生活は障害者支援から担当者が付き、そちらの関係はすべて通称名が許可された。支援課の担当者はCさんが相談する内容を記録していたので、外部機関としての証拠文書となった。
Bさん、Cさんが氏名変更審判に成功するまでの経過
娘Bさんから事実を告げられてから、母Cさんの1年半に及ぶ闘いが始まった。自身も倒れるなどの不調を抱えながらも薬を飲みつつBさんを守るべく耐えた。Bさんの名前を変えたいという願いを叶えることがBさんの壊れかけた心を救うことだと感じた母Cさんはいろいろ情報を集め、その中に私のブログへの連絡もあった。
離婚し、役所のさまざまの機関、児童相談所、学校の協力を得るべく奔走した。大きいのは父親から示談書を取ったことでしょうか。
協力を仰いだ第三者は、行政の障害援助の担当者、校長、担任、児童相談所の弁護士、主治医の弁護士、他にも多数。とにかく協力してくれる人や機関にはコンタクトしたそうです。
上申書はCさんがBさんの話を聞とり書いていった。Bさんが自身で書くことはフラッシュバックを呼び起こし危険だったから、Bさんの負担を最大限考慮していたそうです。とても長いものだったが、Cさんの聞き書きの途中にときどきCさんの思いが走り、主語がBさんなのかCさんなのか分からなくなる部分があったので、そこは私から指摘させてもらった。
全体的にBさんの戸惑い、恐怖、怒りがきちんと伝わってきた良い文章で、Aさんのアドバイス通りに具体的に記述してあったから分かりやすかった。これなら、裁判官にも伝わるだろうと思った。
その後も学校の担任や校長、主治医の弁護士、児相の弁護士などに見てもらい完成したそうです。
私が嬉しかったのは、学校の対応でした。校長はじめ、担任が変わってもきちんと引き継いでBさんをケアしてくれていました。学校での通称名使用も許してくれました。
そして、もっと嬉しかったのは、母Cさんが父親と離婚して示談書を取り、氏を変えるまでして娘を守ろうとしたことでした。性虐待の場合、多くの母親は父親を守り娘を敵にします。私の家も性被害者の私が見捨てられた。
Cさんは多くの母親たちに自分の経験を参考にしてもらいたい。個人的になら相談に乗りますと言っています。娘への性虐待で悩んでいて、同じ母親の意見が聞きたいと思われるお母さんがいたらこのブログに連絡下さい。
今回、筆頭者がCさんだった為に、Cさんも一緒に氏を変えることになりました。
保険証に通称名が使えるようになる場合のこと
ここで、保険証に通称名を許可されたことの落とし穴があります。生活に支障がないのなら、現状のまま通称名でいいのではないかと裁判所に言われてしまうのです。あえて、裁判で戸籍名を変える必要がないのではということです。実際そういう文言で取り下げを強要された形で取り下げた人もいました。
前のブログで私が4例目になりそうだと記述したハルヤさんは、そういわれて取り下げてしまいました。私がもう少し強くサポートしていたらと悔やまれます。鬱時期に裁判所から取り下げ圧力がかかると耐えられません。
でも、取り下げたとしても、気力さえあれば何度でも申し立てることはできます。逆に保険証に通称名を使えることで生活と心が安定したのなら、もうそのままでいいのです。自分の心の平安が一番大事。
しかし、どうやら、最近の潮流は「虐待による戸籍名変更は許可するのが妥当」という方へ流れているようです。だから、許可を出したくない裁判所は、受け付けないか、取り下げを強要するのではないでしょうか。
戸籍名変更は生きるために必要だ
保険証が通称名で生活に支障がないからあえて戸籍名を変える必要がないのではと問われたCさんは、Bさんに尋ねました。Bさんの答えは「生きるために必要」というものでした。戸籍名を加害者と別にすることは「生きるために他ならない」と、Cさんも納得したそうです。
裁判費用内訳
裁判費用を掲げておきます。
自分で裁判所に出向く場合は、申し立て用収入印紙代800円だけで済みます。私はこれだけで済みました。
郵送で申立書を裁判所に郵送などするといろいろな費用により、B、Cさんの場合は、合計で4900円かかりました。
児童相談所の弁護士とCさんの主治医の弁護士は無料で対応してくれたそうです。
弁護士によって見解の相違がある
ちなみに、この二人の弁護士の見解は全く違ったようです。
児童相談所の顧問弁護士は「裁判で許可されるのは難しい」との意見。
主治医の顧問弁護士は「やるしかないでしょう」という意見だったそうです。
同じ資料を読んでの専門家の見解が分かれることもある良い例ですね。
皆さんは、一人の弁護士の意見だけで諦めないほうがよいということです。
Bさん、Cさん、まずはおめでとう!!💐💐💐