その後を生きる、矢川冬の場合

実父からの性虐待。「もう、沈黙はしない‥性虐待トラウマを超えて」出版。社会福祉士。少子化は家父長制が原因。HSPシニア独り暮らし。性虐待を事由に戸籍名変更。自立したい女性のための無料空き家あり。どけち節約と終活と防災サバイバルが趣味。

プロフィールの画像を変えて決意を新たに。法律を変えなければ性暴力被害者は救済されない。

プロフィール画像が自分に合わなくなったと感じ、落ちついた画像に変えました(落ち着いたかどうかには不安がありますが)。本の表紙にも使ったアリウムの拡大写真です。花言葉は「正しい主張」。これからも考えたこと、感じたことは、臆せずどんどん主張していきます。

 

書かなければならないことがたくさんあって、追いかけられている感じなのですが、どうも鬱っぽくて、気持ちが焦るもののはかどりません。

 

 

 

 

でも、

 

どうしても皆さんに知ってもらいたいことがあるので、頑張ります。

 

現行の法律では性暴力被害者は救済されない

 

ことを訴えたいのです。なぜなら、13歳以上ならあい変わらず「暴行・脅迫を用いて」いないと性犯罪が成立しないことになっているからです。

 

「暴行・脅迫」とはどの程度かというと、殴って気絶させる、縄などで縛る、ナイフで脅かして言うことをきかせる、ということになっています。

 

 

今の法律のここがおかしいところです。1年後の法改正には「暴行・脅迫」要件を消してもらいたい、あるいは被害者が心神喪失状態でなくとも強制的に性交すれば犯罪にしてください。

そうすれば、「抵抗」しないのは「合意」があったのではないか、と裁判長から誤った判断をされないで済むのです。日本も早く世界標準になってほしい。

 

 

なぜ気絶していない、縛られていない、ナイフを向けられていないのに、「抵抗」しないのか、「大きな声を上げて逃げ」ないのか、と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、私も他の被害者の方もそのようないわゆる「暴行・脅迫」のようなことを加害者にされなかったにも関わらず、性的な接触をされたと知ったショックで体は硬直し、意識は解離(自分の自我の外に自分が出てしまう状態)し、いわゆる裁判官が期待するような「抵抗」らしきことはできませんでした。蛇ににらまれたカエルの状態でしょうか。身じろぎできなくなるのです。

 

恥ずかしい、こんな汚い自分は認めたくない、何もなかったことにできないか、逃げ切れない、明日からの毎日をどういう顔をして過ごせばいいのか、なぜ私にこんなことが起きたのか、、、と犯罪被害者が感じる否認、混乱、悲哀、怒りのすべてが一度に押し寄せてきます。

 

子どもだから逃げられないと、みなさん思われるでしょうか?20代でも30代、40代でも、いわんや60代でもそういう無抵抗な状態に陥る被害者は多いのです。

 

私の本「もう、沈黙はしない」に17人の当事者たちが体験をつづった本を書評付きで掲載しました。ぜひ、その方たちの生の声を聴いてほしい。性暴力に抵抗できない心理が分かると思います。裁判官たちの必読書にしてほしい。

 

 

 

特に「御直被(おんちょくひ)」は読んで頂きたい優れた作品です。警察官板谷利加子と被害者の往復書簡を編集したものであるが、板谷さんのような警察官が増えてほしいものです。

 

 

 

また「BLACK BOX」は現政権与党の党首安倍首相に近い人が加害者と知り合いいだったため、伊藤詩織さんの加害者元TBS社員の山口敬之は不起訴になり、その後裁判所は伊藤詩織さんを締め出しました。 安部晋三のいつものやり口、お友達の便宜を図るのはもはや習慣化していますね。

 

 

 

酷い話です。国民が裁判所を信じられない日本とは、法治国家でもなく民主国家でもない、独裁国家なのです。

 

 

 

 

ここで、報告が7つあります。

 

1、宮本ゆかりさんが1年前に毎日新聞の取材を受けていたこと。毎日新聞の記事はつい最近ヤフーニュースで偶然見たのですが、例のごとく貼り付けはできません。毎日新聞編集長の「かしこい」配慮で報道が1年後の今になったそうです。(怒)

代わりに、宮本ゆかり(id:kaoagete)さんのブログに言及させて頂きます。大変示唆に富んだ記事です。

www.hitorijyanaiyo.com

 

  

 

2、さき(id:sakyuuu)さんNHKの取材を受け、つい先日NHKニュースで流れたようです。こちらも観ておりませんでしたので、いずれさきさんがブログで詳しく報告してくださるのを心待ちにします。以下、さきさんがそのことに触れているブログに言及します。

sakyuuu.hatenablog.com

 

 

 

3、山本潤さん代表の一般社団法人「スプリング」は、活発にロビー活動をしていて、今までに数十人の国会議員と面談して、性暴力の刑法改正や議員立法の陳情を活動の中心にしています。活動費などのお申し込みは常に受けてけております。📦💐

 

 えーと、リンク貼りたいところですが、検索エンジンで検索お願いします。(T_T)

 

 

4、天命を知る!(id:jiomn)さん から「訴追委員会」のURLと貼り方を教えてもらいました。貼れました~!

 

www.sotsui.go.jp

 

5、 この「訴追委員会」にChenge.org で7000人の署名を集めている個人の方がいます。4月25日現在で6800人集まっています。7000人を達成したら「訴追委員会」に渡すそうです。あと200人の中にぜひ入ってください。

えーと、はい、お分かりですね。Chenge.orgのホームページ内で探して。。。

 

6、岡崎市の無罪裁判ですが、検察が控訴したので名古屋高裁で5月中旬ごろ、裁判が開始になるのではということです。その前に鵜飼裁判長の弾劾裁判が決定してほしいものですが、同時進行になるか、遅れるかでしょうか。それでも悪しき判例が認められないようにしないといけません。

 

7、最近性犯罪加害者が相次いで無罪になっている裁判の原因ではないかとも思える裁判のことを書きます。静岡の裁判です。非常に悔しいですが、経緯を簡単に書きます。

(これを読んだ皆さんに後ろ向きな誤解が生まれないか心配です。質問がある方は遠慮なくコメントしてください。)

 

2009.5.15に、再婚した妻の連れ子(女)の娘、つまり義理の孫にあたる12歳の少女が義理の祖父から性虐待を受けたと訴えた。4回の審理の末、懲役12年の実刑判決がでて加害者は服役。その後、18歳になった少女が原告の弁護士に嘘だったと伝えた。2015.10に再審無罪になったその後、義父は国から損害賠償金2800万円を手にした。義理の娘である母親のその後は分からない。

 

この事件の奥はまだある。実はこの母親は被告(義理の父親)から性虐待を受けていた。12歳の少女は母親に言われて身代わりになって訴えたのだという。

 

母親が、なぜ娘を身代わりにするというそのような行動に出たか、 皆さんお分かりになりますか?

 

母親への性虐待は罪に問われたのかというと、それもうやむやになってしまった。

 

有罪判決を出した杉田裁判長は、誤判騒動が明るみに出る前に2013.12.25に肺がんで死去。

 

 

 

皆さんはこの事件をどう考えますか?

 

私の考えは次のようなことです。

 

母親が自分が訴えても勝ち目がないと考え、母親にべったりだった娘に身代わりになる ように頼んだ、息子に目撃者を装わせた。母親の姉(少女からは伯母さん)は、妹が義父から性虐待を受けているのを知っていたから、孫にまで手を出すのは当然と思い怒って証言をした。

 

誰が悪いのでしょうか?

12歳の少女は18歳になり母親のもとを離れ独立したので、本当のことを話す気になったという。性虐待はなかったと話す時点で母親との心理的なもつれがあったのでないか。けれども、証拠がないのだから無かったともあったともいえるわけです。伯母さんの懸念は当たっているのかもしれません。

 

私の意見ですが、

母親は歳のいった自分が何年も義父の言いなりにセックスを受け入れていたことで、いまさら訴えても認めてくれない。合意の上と思われる、だったら孫なら社会は加害者に罰を与えてくれるのではないか、と考えた。。。悔しさは残るが、歯を食いしばって自立する勇気もない。

 

愚かですが、そうなのではないかと思います。自立を本気で考えるように女は育てられていない。周りにロールモデルがない場合は想像力もそがれる。経済的に加害者に依存する状況は、ある意味ぬるま湯でもある。

 

ぬるま湯は、できるだけ早く出なければ精神を壊すことが分からず、ずるずると生活している様子が見える。愚かだと笑うのは簡単だが、母親こそが救われるべき人だったのだ。

 

結局司法が振り回され煮え湯を飲まされた。この事件以降、裁判官たちには被害者が証拠もなく訴えることが恐怖になってしまったのではないか。だからさらに、「疑わしきは罰せず」のほうへ流れたのではないか。

 

けれども、幼い子どもに証拠を出せというのはお門違いだ。出せるわけがない。結果、現在のような悲劇が繰り返されている。

 

性暴力を立証するのは、証拠を示すのは、ほぼ不可能だ。たった1回の失敗で、不可能を知りつつ要求する司法は腰抜けなのだ。性暴力だけは、別のルール「疑わしきは罰する」ということにしなければ、日本は性犯罪天国になってしまう。

 

世界でも、日本の性暴力に対する考えが甘いと思われている。アメリカでは一度の性犯罪でデータがだれの目にも触れるように、顔写真、名前、住所がネット配信されている。一生GPSをつけられ、長期の旅行も制限される。アメリカで性犯罪を犯したら、一生苦しむようになっている。それに比較して、日本では一生苦しむのは被害者のほうで、加害者はのうのうと暮らしている。

 

 

 

「そうだ!日本へ行こう!」というキャンペーンを、世界中の性犯罪者向けに旅行社が発売するかもしれない。性犯罪天国やりたい放題、日本へようこそ!というわけだ。

 

 

上記の母親は愚かだが、その弱さは女の置かれた状況の中で精いっぱいの権謀術数だったのだろう。

私も24歳のとき医者が信じてくれなかったから、考えあぐねて加害者をだまして14年後に謝罪文を書かせてそれを証拠にした。人をだますという汚い手を使った。事件後28年も我慢に我慢を重ね、笑顔を作り、だまして、やっと証拠らしきものをとった。そんな精神が壊れるような苦労も苦しみも、今性虐待を受けている子どもたちに味わってほしくない。

  

 

だから、裁判官たちが一度の煮え湯でそんな逃げ越しでは困る。母親が何十年も加害者からの要求に従った自分だから誰も助けてはくれないと考えるに至ったのは、この社会がそう仕向けたともいえる。

 

 

悔しさを晴らすすべが見つからないこと、それが性暴力の本質なのだ。

 

 

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 生きづらさへ
にほんブログ村