性暴力被害者には特別な配慮が必要なのに、二次被害が多すぎる
性暴力には特別な治療が必要
性暴力の被害は、身体と同時に人格をも傷つけられるという意味で特別の配慮が必要な被害です。
殺人未遂事件の被害者が生き残った際に「自分が悪い、恥ずかしい」と自分を汚物のように感じることは少ないでしょう。
けれど、性器を攻撃されると、人は自分が汚れている、劣っている、どうでもよい存在だと思わされてしまいます。
加害者は被害者の魂が死んだことに気がつかない
私たち性暴力の被害者は、何年も何年も自分を自分で呪い、自傷行為にすら走ります。なぜでしょうか?
性暴力を受けると人の魂が死ぬのです。
魂が死ぬとは、私の場合は未来が無くなった感じ、世界が灰色で遠く感じる。人間関係のすべてが遠くて触れられない。そう、幽霊になってさまよっている感じを想像してみて下さい。フラッシュバックは何年たっても起きる。性暴力のその場面が時を選ばず、まるでリアルに蘇る。
閉じこもりたくって閉じこもっているのではない
自分で買った自分一人の家の外には、加害者に似た男たちが闊歩しているからできる限り閉じこもる。男性の宅配業者がいやだから、なんども喧嘩しながら頑として置き配を主張した。
本当は本当は、青空の下でさわやかな外気を胸いっぱい深呼吸し、駆け回り、笑いたい。素直に喜びたい。
加害者は自分の犯罪を忘れる
加害者にとっては被害者の身体だけが現実なので、被害者の魂がその場で死んでいることには頓着しません。身体的に死んでいないのだから大したことはないと考えます。
。。そして忘れる。
旭川のいじめ自殺事件
旭川で凍死自殺した少女も、性暴力を受けた時点ですでに魂が殺されていたのです。とどめを刺したのは、旭川市の教育委員会と中学校の教師たちです。
ジャニーズ喜多川の性加害事件
ジャニーズでの加害事件の被害者たちも、訴えても社会は見ぬふりをして見捨てた。彼らは呼んでも呼んでも応えない社会に魂を殺されたのです。
ジャニーズファンのおかしな感性
そもそもジャニーズの番組を特に好んで見ていなかった私は2003年のジャニー喜多川の有罪判決を知らずに通り過ぎてきた。
ファンという人々はもう少し関心を持っていたはずだが、どうしたのだろう。今もジャニーズという会社の存続を望むファンもいるという。信じられない。「押しに課金する世界」が歪んでいるように思うのは私だけだろうか?
ホストに課金する心理と同じなのではないだろうか?
いずれにしても報道ジャーナリズムの罪は大きい。
これが性暴力の本質です
そう、私たちは見捨てられてきた。
加害者はすぐに忘れぬくぬくと生き、被害者は自己否定に一生苦しむ。
暴力を許さない社会が欲しい
暴力を許さない社会を作るために、小さくてもよいから声をあげてほしい
このブログを読んで下さっている心ある読者ならば、これからは見て見ぬふりをしない社会を作っていただけると思っています。性暴力でなくとも身の回りのどんな小さないじめや暴力でもよい、見かけたら声をあげてください。
私はそうしています。声のかけ方が間違っている場合もあるかもしれませんが、声をかけずにはいられない。
SANEについて
以下は、
(特定非営利活動法人 女性の安全と健康のための支援教育センター(NPO Center for Education and Support for Women, Japan)からの抜粋です。
性暴力被害にあった人の医療ケアは、専門的知識と技術をもつトレーニングされた人たちがチームを組んであたるのがベストです。被害による心身の傷のケアにあたり、その後の影響というダメージをできるかぎり少なくし、医療現場での二次加害(無神経な言動によって被害者をさらに傷つける)を避け、本人の意思に応じて告訴など法的措置に備えて証拠採集し記録を残すことができるからです。
性暴力対応 看護師 SANE とは、
SANE(Sexual Assault Nurse Examiner:性暴力対応看護師)は、1976年に米国テネシー州メンフィスで始まり、以降米国各地およびカナダに広まった専門職です。北米にはForensic Nurse(法看護)という専門分野があり、SANEはその法看護師の働きをします(ただし、すべての法看護師がSANEではない)。現在、アメリカにはSANEトリートメントセンターが700ヵ所、全世界の26ヵ国でSANEが活躍しています。
はてなブログにもSANE看護師さんがいましたよ。紹介します。
そのSANE看護師の試験に合格したのが、はてなブロガーの飛紅真(ひこうしん)(id:hikousin)さんです。
ここまで真摯にジャニーズのあの会見に怒っている専門家を他に知りません。有難いことです。皆さんも飛紅真さんの考え方を知ってください。
当事者の私ですら自分の甘さに震え深く反省しました。