自分はなにも悪くないから、顔をあげて堂々と歩く。
それが、宮本ゆかりさんです。
「宮本ゆかり」は本名であり、はてなブログのアイコンは「自分の横顔」なのです。覚悟のほどが分かるというものです。
宮本ゆかりさんとのなれそめ
インターネットで、「性的虐待はなぜ起きる」というブログを見つけました。それが宮本ゆかりさんが書いていたはてなブログでした。
私は早速はてなブログでブログを始めたのです。
ブログを開設して真っ先に宮本ゆかりさんに連絡しました。
宮本ゆかりさんの現在
宮本ゆかりさんは生まれ育った香川で美容院を経営しながら、地元のTVにも出演し性的虐待の啓発活動や防止活動をしています。毎日新聞社のインタビュー記事がyahoo newsにも載っていたので読まれた方も多いのではないでしょうか。
2人の子どもは成人し一人暮らしを始めたのを機に、ゆかりさんはつい数年前に再婚をして美容院を自営し始めて、この数年は充実した日々を送っています。
2人の子どもたちは立派に育ち、母親の性虐待の告発活動にも協力的だそうです。孫として加害祖父に会わなくてよいと言ってくれているそうです。涙が出ます。ゆかりさんの子どもたちへの愛情がたっぷりあった証ですね。
その合間にも毎日新聞の取材を受けたりと、性虐待への怒りは忘れていません。
本の出版までのスケジュール
美容院も順調で忙しく執筆がなかなか大変らしいですが、年内に書き上げて来年春ごろの出版予定だそうです。年末年始は美容室のかき入れ時、出版社もなんでそういう忙しいときにぶつけてきたのか、配慮がないなあと思います。
ゆかりさん、遅れてもいいので、倒れないように思う存分書き進めてください。
加害親の住む地元で声を上げることがいかに大変か
なにがすごいって、生まれ育った家に今だに加害親も住んでいる地元で地元の朝のTV番組に出てしまうこと。
だってね、朝のローカル番組っていわゆる地元の明るくて軽い話題を提供するわけでしょ。その日の噂話の生まれる場所でもある。性的虐待の犯罪性の核心にどこまで迫れるのか、私はとても心配する。
けれど、ゆかりさんはそんなことに頓着しない。あっけらかんとやってしまう。
私にはとても真似できない。朝のローカル番組を観た中年男性が美容室に来て「TV観ました、頑張ってください」と言ったそうだ。わたしなら、ぞ~とする話だが、ゆかりさんはすんなりと喜んでいた。そういう素直な人に対しては、人はあまり悪さをしないのかもしれない。
幼稚園から小学校、中学校、高校と過ごしたから相当数の友人知人がいるはず。
その人たちがどう受け止めるかは後の問題なのかなあ。
私が一番に読みたいのはそこ、地元の人々の反応。毎日生活する場所での陰口はないのか。まあ、陰口なんてあったところで何がどうなるわけでもないけれど、少しずつのボディブローは精神的にはダメージがやはりある。
一度、ゆかりさんに聞いたことがあるが、みんなよく理解してくれて変なことを言ってくる人はいないとのこと。う~ん。
さらに、TBS報道特集でゆかりさんの生き方が特集された
この番組は性虐待とは無縁の私の友人も観たとのこと。その友人と性的虐待の話がすんなりできたのが嬉しかった。
驚いたのは、TBS記者のインタビュアーが鳴らすインターフォンで加害者の父親が玄関から出てきて「加害者にも人権がある」と言ったこと。加害者がこんな人間だから、ゆかりさんの怒りは告発へと向かったのだろう。
私の育った田舎とゆかりさんの育った田舎は封建的なことでは変わりがない
性虐待は私の子どもの頃はおどろおどろしい噂話となって、くちさがない田舎人の怖いものみたさの好奇心の標的になっていたものだ。
リアルタイムで私が実父からモレステーション(不適切な接触)を受けていたさなかに聞こえてきたのは、「父親の子ども生んだってよお、嫌だねえ、恐ろし」という近所の主婦たちの会話だった。
しかも、その会話を私に教えたのは母親だった。
60年前の日本。そういう無知蒙昧が横行していた。
今ほぼ50歳のゆかりさんと70歳の私の時代的背景
ゆかりさんの行動を見るたびに、私は自分のサバイバル方法を振り返えらざるえない。
ゆかりさんと私のサバイバル方法は加害者の扱いが真逆なのだ。
私の本の宣伝
ここで、私の本も宣伝させてもらいます。後々ゆかりさんの書いた本と合わせて読んで頂きたいものです。
被害者がどのようにして被害者になり、どのようにして社会と向き合ってきたのか知って欲しいのです。社会から女性への暴力がなくなる日まで私も闘います。
私は大学入学と同時に故郷を離れ、戸籍名を変えて一人戸籍を作り、加害親と故郷から姿をくらました(逃げた)。逃げないと本を書いて告発ができない状況だった。
遺産はいらない、そんな汚い金は欲しくない、その代わり大学の費用を「慰謝料」として払わせた。大学を卒業したらきっぱりお別れだ。もちろん、口には出さずの計画だった。
一見ずるいように見えるけれど、それは私にとって生き延びる最良の策だったと今でも思うけどね。
兄弟姉妹がいるか一人っ子なのかで、サバイバル方法は変わる
そして、白状するが私は子どものころ鬱積する感情の持って行き場がなく、たびたび妹を苛めたのだ。幼い妹は返すこともままならなかった。妹の寂しそうな横顔が脳裏に浮かぶとズキズキ心が痛み後悔の念がわく。
妹の悲しみは成長するにつれ怒りと憎しみに変容した。大嫌いな姉になってしまった私の性被害にもはや妹は共感しない。「私はあんたよりお父さんを選ぶから」というのが、妹との最後の会話だった。
加害者たちは死に絶え、妹とも一生会わない。それでよい。
実名を明かさないのがせめてもの妹への償いなのだ。姉が受けた性虐待で、妹と妹の嫁ぎ先がスキャンダルに陥らないように願う。
実名で告発している山本潤さんも、宮本ゆかりさんも一人っ子だ
それは、他の兄弟姉妹の心配をしないで告発ができることを意味するのではないか。加害親と自分の1対1の関係は告発をし易くするだろう。
それでも告発するのは命懸けには違いないが。
ゆかりさんの本が出版されたらまた告知をさせていただきます
性虐待の問題は、社会の男女差別、人間の権利に直結する問題です。イエ制度の悪しき習慣の究極の形である父や兄による娘への性的虐待を日本のすべての皆さんに、もう一度考えて頂きたいのです。
みなさま、よろしくお願いします。