その後を生きる、矢川冬の場合

実父からの性虐待サバイバー。「もう、沈黙はしない‥性虐待トラウマを超えて」出版。社会福祉士。家父長制絶対ダメ。HSPシニア独り暮らし。性虐待を事由に明記し戸籍名変更。女性無料シェアハウス運営。趣味はどけち節約と終活と防災サバイバル

トランスジェンダーとは何かーー独断的考察

「トランス」とは何かがずっと分からないでいた

なので、LGBTQ理解増進法案なるものが検討されている今、きちんと考えをまとめておこうと思う。

私も自分を隠して生きてきた苦しさは知っている

だから、本当の自分をそのままに生きたいという思いは理解できる。

今やっと、

私は自分の感性と感覚と論理だけで生きていられるようになったので、独断的になるかもしれないことをお断りしておく。当事者の方たちが傷つかないことを祈ります。

 

 

辞書で引くと、「トランス」とは

「横切って、他の側へ、超越して」ということ。反対語として「シス」。

 

医学的にみると

トランスは医学的には性同一性障害という障害である。胎児のときに身体の生殖器妊娠10週目くらいに男女に分化するのに対して、脳の男女分化は妊娠20週目に何らかのホルモンが働いて起こるという。

身体の性別脳内の性別分化のタイムラグ何らかの不一致を引き起こしているので、トランス本人たちは生物学的に苦しむことになる。それに加えて社会的無理解が2次被害となっている。2重の苦しみだ。

 

ジェンダーとは

ジェンダーの意味は結構浸透していると思う。身体の性別(性器の違い)により社会的・文化的に押しつけたり考えられている性差のこと。この場合の性差とは女性と男性の間のみの差である。

ジェンダーによる男女役割や「らしさ」の押しつけが問題になって久しい。

 

 

性器の違いで人間を区別し差別するのは、SF的で滑稽な話だ

幼稚園では、女の子用のおもちゃ男の子用のおもちゃが決められていて、それを逸脱して遊ぼうとする子どもは矯正される。そうやって、まず男女は二元論的に区別されることを知る。人間には男女2種類しかなく、しかもそれは区別しなければならないという教育なのだ。保育現場はおかしすぎる

 

トランスジェンダーとは

「トランス」と「ジェンダー」を合わせたトランスジェンダー「社会的に考えられている性差を越えて反対側へ行く人々」という意味になろうか。

 

性自認が身体と一致している人の分類

身体と心の性自認が一致していることをシスジェンダーと言う。身体の性別によりシスジェンダー女性シスジェンダー男性と分けられる。

 

※これからはトランスジェンダー女性を「トランス女性」、トランスジェンダー男性を「トランス男性」と呼ぶ。同じくシスジェンダー女性は「シス女性」、シスジェンダー男性は「シス男性」と表記する。

 

恋愛対象(性志向)による分類

恋愛対象が身体的異性の場合をヘテロという。恋愛対象が身体的同性なのが、シス女性の場合レズビアン、シス男性の場合をゲイと呼ぶ。恋愛対象が男性も女性もの時はバイセクシャル、恋愛対象が定まっていないすべての人間が対象になる人はパンセクシャル、恋愛対象が全くないつまり性欲が無い場合はアセクシャルと呼ばれる。

 

LGBTQという表記が混乱の原因

LGBTQの

レズビアンL)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)は性的志向の分類。トランス(T)は性自認のはなしで、クエスチョニング(Q)は性自認と性志向の両方とも定まっていない人のことで性自認と性志向の両方の分類にかかってくる。

だから、LGBTQという表記は、性自認と性志向の両方の分類を混ぜ込んでいるので、何のことか分かりにくい

LGBとTQを分けると少し理解しやすいかと思う。だから表記はLGB/TQとするのが良いと思うのだが。

 

性自認と性志向の組み合わせは今のところ20種類(実はもっと多いと思われる)

性自認と性志向を組み合わせるとなんと、

 

シス女性ヘテロ、シス女性レズビアン、シス女性バイセクシャル、シス女性パンセクシャル、シス女性アセクシャル

シス男性ヘテロ、シス男性ゲイ、シス男性バイセクシャル、シス男性パンセクシャル、シス男性アセクシャル

トランス女性ヘテロ、トランス女性レズビアン、トランス女性バイセクシャル、トランス女性パンセクシュアル、トランス女性アセクシャル

トランス男性ヘテロ、トランス男性ゲイ、トランス男性バイセクシャル、トランス男性パンセクシュアル、トランス男性アセクシャル

と20種類にも分類されてしまう。(本当はもっと多くありそうだが、これ以上は煩雑になりすぎるためここで留め置く)

 

これだけでも混乱する。そもそもこんな分類が必要なのかと思ってしまうが、少数派への理解を増進するためにはぜひとも必要なのである。

 

 

人類の10%がセクシュアルマイノリティ

ちなみに性的マイノリティと言われる人たちは全人類のほぼ10%程度存在しているらしい。これらの人々の人権がないがしろにされてはいけない。

残りの90%シス女性ヘテロシス男性ヘテロであるわけだ。私もシス女性ヘテロのマジョリティの中にいたので、マイノリティの人々について全く鈍感だったことを白状する。

世界にはこれら2種類しかいないとされたのは、キリスト教の聖書に由来する。害は大きい。

 

一部の女性団体がトランス女性の女子トイレ使用に反対している件について

トランス女性が女装をしていて一見女性と見えてしまうと社会的に混乱するのは、まだセクシャルマイノリティの人権が確立されていないからである。

 

「性器を手術していないとその女性は男性器をもっているので性暴力をふるおうと思えばその女装をしている女性らしき人は男性器を行使するかもしれない。」

というのが、その団体の見解である。

 

実際にトランス女性を装った男性が海外でも日本でも性暴力事件を起こしている。もちろん、トランスジェンダーはシスジェンダーと同じように性犯罪を犯すかもしれない、可能性は否定できない。

女性と見分けがつかないトランス女性(女性が性対象になるトランス女性がいる)が性犯罪目的で女子トイレに入ることもあるだろうし、性犯罪を目的に女装したシス男性が女子トイレに入りやすくなることを一部団体はそれを懸念している。

私はその団体の言っていることも分かる。この問題が持ち上がった直後には、女子トイレが脅威にさらされることは許されないと思った。

 

トランスジェンダー当事者たちの見解

それに反して、

トランス女性とトランス男性は、常に自分が社会からどういう目で見られるか気にしているという。トランス女性が女子トイレに入ったとしてほかの女性から見破られるのではないかという恐怖が先に立つとのこと。だから、いくら女装をしても女子トイレに入るのは抵抗が残るそうである。いわんや公衆浴場など問題外だそうだ。

 

実際、骨格が違うのでトランス女性の女装はかなり見分けがつく。

 

社会的性差別もひっくるめてトランス女性は女性性(女性らしさ)を、トランス男性は男性性(男性らしさ)を確保したいからやっかいなのだ

上野千鶴子さんによると、「女は女装し続けることによって女になる」そうだ。

 

シス女性はかねてより「女らしさ」と闘ってきた。スカートを拒否しユニセックスな服装を取り入れてきた。トランス女性の過剰ないわゆる女らしい服装には違和感があるし、今までの努力をないがしろにされた思いだ。

 

トランス女性に感じる私の違和感の一つはその女装と化粧にある

「女らしさの病」を押し付けられてきた私は、いわゆる「女装」を拒否することで女性差別にあらがってきた歴史がある。現代の若者は男女を越えたファッションを楽しんでいるように見えるから、十代の彼ら彼女らにはわからない怨嗟だ。

 

 

トランス女性が本当の女性になりたいのなら

トランス女性は自分の女装に対するあくなき熱望をひとまずおいて、シス女性の服装をお手本にするべきだ。過剰にひらひらしたアイドル服や昭和時代のワンピースは捨て、水商売世界の厚化粧もやめてみよう。

 

残念ながら男性の骨格は隠しようがない。そればらば逆にユニセックスな服装でセンスをアピールしたほうがスマートで社会にも受け入れられやすいのではないか。

 

女子トイレ問題はトランス女性の問題ではなく、防犯の問題

男性器を持ったトランス女性が使用しても性犯罪が起きないような手立て、仕組みを作るべきだ。具体的には私は今提示できないが、みんなで知恵を出し合おう。それが人権を大切に暮らすということだから。

 

 

 

というわけで結論

私は性虐待が性にかかわるがゆえに、自分が悪いわけではないのに、隠して生きなければならなかった。仕事が教育関係が長かったからなおのことカミングアウトは遅れた。40歳手前で一度公の場に出てみたものの心理的負担が大きくすぐにくじけて引っ込んだ。

再度世の中にカミングアウトしたのは65歳「もう、沈黙はしない」執筆まで待たなければならなかった。

 

 

 

仕事をリタイアしてからが私の本当の人生の始まりだ。

トランスジェンダーの人々もただの障害にすぎないのに、それが性にまつわることだから、社会の無理解の視線にさらされている。

 

頼もしいのは、無理解を理解に変えようという若いトランスジェンダーの人たちが増えていること。性暴力被害者同様、若い人々の凛とした行動に期待したい。

 

 

最後にオリンピック参加の問題について

トランス女性が女子スポーツ競技に混じることは、私は反対する。かつてレスリングの競技でトランス女性がシス女性選手の頭を抱え込んで殴り続け、そのシス女性選手は頭蓋骨骨折をした。やはり身体的に男性で生まれているので骨格と筋肉が違う。逆にフェアではない。テストステロンの量で判定することにも反対する。

 

 

 

 

 

 

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